北洋館を訪ねて

 先日、近所にある自衛隊の公開施設「北洋館」を訪ねる機会がありました。
 北洋館については、下記のウェブサイトが詳しいと思われます。

https://www.mod.go.jp/msdf/oominato/info/kengaku/hokuyo.html

 お恥ずかしいことに、これまで北洋館を本格的に訪ねたことがありませんでした。理由は「あまりにも近所すぎて……」というものです。
 しかし先日、中を見学したところ、これは! という者がたくさん展示してありました。中は写真撮影自由となっていましたので、手持ちのカメラで何枚か写真を取って、帰ってきてその写真を見るなどもしています。
 ただ、ネット上に公開しても良いか、というのは別の問題ですので、今回は差し控えておこうと思います。

 気になった史料をいくつか挙げます。

○大湊四辺地質調査 明治27年7月2日

 こちら、この地に当時の海軍が来る前に地質調査をした図面です。
 この年代ですと、現在の国土地理院の地図に相当するものがまだですので、当時の地形や状況を知ることが出来る貴重な史料です。
 これまで、絵図しか見たことがありませんでしたが、正確な地形が載っている図面があるとは。驚きです。

○昭和10年田名部町地図

 正確には「昭和10年度 田名部町勢一班 田名部町役場」だそうです。
 見所としては、
「昭和10年には既に新大橋が架かっていたのか」
「軌道会社と軌道車庫がある」(当時の田名部駅・現赤川駅までの鉄道馬車路線)
「五十九銀行支店が、今の青森銀行の場所」
「東通村役場がある」
「登記所もある」
 という感じでしょうか。

○昭和3年下北郡地図

 「下北新報社発行」とあります。そして「昭和3年7月31日大湊要港部検閲済」とも書かれています。
 載っている広告がほぼ川内町のもの。当時の川内町の勢いというものを窺い知ることが出来ます。
 広告としては……個人名の関係しないものを挙げますと
「川内電氣株式會社」
「東北商船株式會社 川内代理店 川内回漕店」
「川内漁業組合」
「川内林産興業株式會社」
「川内耕地整理組合」
 等々、多数あります。
 肝心の地図の方も、本当に興味深い。その地域で産出される名産品・工業品等も記載されています。

 他にもありますが、何よりも私が申し上げたいのは、「近所の人ほど、見に行くべし」ということでしょうか。
 ここに挙げなかった史料にも、すごいものがあります。感じ方は見る人によって違うはずですが、とにかく驚き。近所の方ほど驚きが大きいことでしょう。

北洋館(令和4年(2022年)10月)